バネ鍛えるトレーニング(プライオメトリクス)
- NAOKI TAMURA
- 2020年12月5日
- 読了時間: 4分
今回は身体のバネを鍛えるプライオメトリクストレーニングについて話していこうと思います。
プライオメトリクスと聞くと難しそうに聞こえますが、早い話がジャンプするトレーニングです。
でも実際のトレーニングに組み込もうとすると、週3回のトレーニングの中でどの程度の強度、頻度ですれば効果が出るのかわからないというのがほとんどです。
ですので今回はプライオメトリクストレーニングの基本とメニューの作り方について説明していきます。
頻度
実のところ、プライオメトリクストレーニングについてはっきりとした研究は少ないのです。
アスリートは競技の練習でプライオメトリクス的なことをすることもあるので、研究が難しいというのも原因の一つでしょう。
例として、シーズン中はアメフト選手で週1回。
陸上選手で週2〜3回しています。
また、オフシーズンではアメフト選手は週2〜3回。
陸上選手は週3〜4回です。
普通のウエイトトレーニング、レジスタンストレーニングと併用して行うことが多く、位置付けはパワー種目になります。
量とセット方法
基本的に重さを扱わず自重で行う場合、RM計算は必要なく、足の接地回数で負荷を設定します。
NSCAの基準では、
初心者:80〜100
中級者:100〜120
上級者:120〜140
とされています。
両足よりも片足、低い位置よりも高い位置で負荷が大きくなるのでトレーナーや指導者は基準は参考程度にして強度を考える必要があります。
また、デプスジャンプや連続ジャンプなど、反復回数間で5〜10秒、セット間の休憩はパワー種目と同じで2〜3分とり、「完全かつ適切な休息」を取ることが推奨されています。
期間は6〜10週間の範囲で行われているのが現状です。
(垂直跳びの高さは、始めてから4週間ほどで向上するとされています。)
漸進
トレーニング強度は他のレジスタンストレーニング同様に、低強度から中、高強度へと漸進していくことがパフォーマンスアップに繋がります。
思春期前の骨端板が消えていない子どもに高強度のプライオメトリクスは禁忌ですが、低強度であれば神経の活性化を促し、良い結果が得られます。
コーディテーショントレーニングなどのように、結局子どもは遊ぶのが一番と言われてますので、本格的なプライオメトリクスを考えるのは中学後半〜高校生になってからでもいいでしょう。
プライオメトリクスができる条件
これは高校生以上の話になります。
下半身のプライオメトリクスを実施するにはスクワットの1RMが体重の1.5倍必要と言われています。
体重60kgなら90kgを上げれないといけないということですね。
これはデプスジャンプなどのように、高いところから降りてジャンプする際、かなりの負荷が膝などにかかってくるためだとされています。
また、スクワットを経験しておけば、ジャンプ後の着地の際、自分の体重を受け止める姿勢がしっかり取れることから、個人的にもスクワットの経験は必要だと考えています。
さらにもう一つ必要なのがバランス能力です。
これはバランステストが用意されており、以下の姿勢でそれぞれ30秒できなければ、まずはそこからトレーニングする必要があるでしょう。
バランステスト
スタンディング 両脚
片脚
クォータースクワット 両脚
片脚
ハーフスクワット 両脚
片脚
プログラムメニュー
では実際のプログラムの組み方になります。
基本的にはプライオメトリクス単体をトレーニングするのではなく、通常のレジスタンストレーニングと併用して行います。
ですので「コンプレックストレーニング」という方法が取られることが多いです。
説明するより見た方が早いので表を作りました。

これのように、通常の筋トレをした部位とは別の部位を選択し、強度を逆になるようにします。
そうすることで、継続したトレーニングが可能になります。
また、デプスジャンプ(台の上から降りてすぐジャンプするやつ)は76cm~81cmが一般的に選ばれる高さになります。
体重が100kgを越える人は46cm以上の高さからのデプスジャンプは避けるべきともされています。
その日の関節の状態を自分でも考慮して行うのがいいでしょう。
今回はプライオメトリクストレーニングの基本について書かせていただきました。
実際は僕自身もこの基本の考えを参考に実践しますし、今指導している社会人野球の友人も週2回(プレシーズンに向けての慣らしとして)しています。
是非参考になればと思います。