動けない腰痛になったときの話

僕はこれまでに数回、立つことすら難しいほどの腰痛を経験してきました。

そのたびに日常生活が止まり、歩くどころか呼吸の仕方すら気になるような、そんな状態です。

腰痛を語る時、「原因はこれです」と言い切れるものがあれば楽なのですが、

僕の場合はレントゲンを撮っても“はっきりした何か”は出ませんでした。

狭窄ぎみの部分が少しある程度で、ヘルニアや滑り症のような明確な所見は出ていません。

それでも、身体を少し誤った使い方で動かすと、

すぐ腰に違和感が走る。

この“反応の速さ”を見ると、どこかの組織が変性していたり、

椎間板周辺が弱っている可能性はあるのだろうと思っています。


■ 高校の「がむしゃら」が身体に残したもの

腰痛の根っこには、高校野球時代の無茶があるように思っています。

当時は周りもそうだったので疑いもしませんでしたが、

今から思えば「身体に優しい文化」ではなかった気がします。

若い身体は多少の無茶には耐えられます。

でも、その時ついた小さなヒビのようなものは、

時間が経つほど深くなっていくのかもしれません。


■ 社会人になって初めて“腰が抜ける”感覚を知った

本格的に動けなくなったのは、社会人になってからでした。

スクワットで腹圧の入れ方を教わり、

息を止めて一気に固める「バルサルバ法」を実践した時、

腰に“じわ…っ”という嫌なサインが残りました。

その日の夜には立つのも辛くなり、

翌朝には寝返りの姿勢を変えるだけで全身が固まるような痛みに変わっていました。

もちろん仕事は休むしかなく、トイレに行くと決めてからベッドから降りてトイレに到着するまでに30分が必要なくらいでした。

あの感覚は忘れられません。

「腰が抜ける」という表現がぴったりで、

身体の支えが全部消えたような、不安になる状態でした。

病院に行っても明確な原因はわかりませんでしたが、

僕としては椎間板性の腰痛が近かったのではないかと思っています。


■ 腰が弱いからこそ、身体操作に敏感になれた

腰痛を繰り返すうちに、

ある意味では“身体の教科書”として腰を使うようになりました。

動きの質が少し悪くなると、

すぐ腰が反応してくる。

こうした微細な“エラー”を、

腰が勝手に赤ペンで添削してくる感じです。

皮肉ではあるのですが、

そのおかげで今のほうが身体の使い方は格段に上達しました。

高校の頃の僕に教えてあげたいくらいです。


■ 本当はやめた方がいい種目も、工夫しながら続けている

スクワット、デッドリフト、クリーンなどの種目は、

腰痛持ちにとっては天敵に近い存在です。

本来なら距離を置くべきなのですが、

どうすれば腰に負担をかけずに動けるのかを探るのが、

僕にとっては興味の対象でもあります。

これらを毎回少しずつ変えながら、

“腰が痛くならないフォーム”を探しています。

筋トレというより、

研究に近いかもしれません。


■ 腰痛は、僕にとって弱点であり、学びの起点でもある

腰痛は正直つらいです。

もし可能なら幹細胞で椎間板を再生したいくらいですし、

二度と痛みを味わいたくない気持ちもあります。

でも一方で、

腰という弱点が、身体を深く理解する入口になってくれた。

そんなふうにも感じています。

同じように腰痛で苦しんでいる人がいたら、

僕の経験や気づきが少しでも役に立つかもしれない。

そう思って、これからも腰と向き合いながら書いていこうと思います。